CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< May 2014 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
手紙。
0


    5月中旬、お手紙が届きました。
    うれしいことに、立て続けに2通も。
    手紙は、サプライズです。

    〜送り手(想像)〜
    送る相手をおもう。
    どんなことを書こうか
    何も書かれていない紙を見つめる。
    ペンを持つ。
    紙を押さえて、文字を書く。
    のりを塗って、封を閉める。
    住所と名前を書く。
    切手を買いに行く。
    切手を貼る。
    郵便ポストの口をちょっと覗いて
    手紙を入れる。
    何時に集荷が来るかちらっと
    時間を見る。
    歩いて次の目的地へ向かう。


    〜受けて〜
    ポストに手紙が届く。
    ドキッとする。
    すぐ開けようか、
    手を洗ってから開けようか、
    どこで読もうか
    自分を落ち着かせる。
    ハサミを探す。
    封を切る。
    手紙を取り出す。
    取り出すまでの短い時間、
    ドキドキする。
    ゆっくり読む。
    読んだあと、一晩余韻に浸る…。


    メールに慣れているぶん、
    手紙にまつわる指先や足先が
    新鮮に感じられます。


    手紙に乗せた送り手の気持ちは
    時間を超えて
    受け手にじんわりゆっくり
    届いていきます。

    手紙に書かれた手書きの文字を見ると、
    わたしはうれしくてたまりません。
    どんな言葉も素直になって
    受け入れています。


    次回は、

    「感謝」

    と書いて送ってくれた方のことを
    ご紹介させて下さい。
    彼女の名前は、
    羽鳥絵雅季(はとり えまき)さんです。


    羽鳥絵雅季さんのブログ

    稲葉尚子のホームページ

    ルイノク2 稲葉尚子の作品










    | friend | 21:02 | - | - |
    ルイノク2新作:5月のマトリョーシカ(追加)
    0
        

      ルイノク2に5月のマトリョーシカを
      追加でお届けいたしました。
      こどもの成長、友だち、好きな人を
      テーマにした作品を出そうと思いましたが、
      “好きな人”に絞って3点制作いたしました。
      3点は、
      になります。


      小学5年生のとき、
      ラブレターをもらったことがあります。
      私の机の引き出しに入っていました。
      家族ぐるみで仲が良かった一つ上の男の子で
      友だちだと思っていたので
      突然の手紙にわたしはびっくりし、
      返事を書いたのですが、
      とっても失礼な返事をしてしまったのです。

      それから、ぎこちない関係を作ってしまい、
      失礼な返事をしてしまったことも
      謝ることができませんでした。
      人生初めて、人を傷つけしてしまった
      と実感しました。
      だから、20年経っても
      思い出してしまうのだと思います。

      その方はどこにいらっしゃるかわかりません。
      けれど、もしお会いできるなら、
      今更だけどきちんと謝りたいです。

      ほんのり甘いラブレターのお話を
      したかったのですが、
      後にも先にも苦すぎる
      ラブレターのお話でした…。


      マトリョーシカはほんのり甘いものになっています。


      稲葉尚子のホームページ
      | news | 06:23 | - | - |
      茨木のり子展
      0


        茨木のり子展へ行ってきました。
        茨木のり子さんを知ったのは7年前。
        本屋さんで働いていたときの先輩で、
        本をこよなく愛し、
        本からも愛されている女性から
        教えてもらいました。




        教えてもらった私は、
        茨木のり子さん(以下、のり子さんと
        呼ばせていただきます。)のコーナへ行き
        まず読んだのが『歳月(花神社)』でした。

        生前の、のり子さんを存じ上げなかったことを
        悔やんでしまうのですが、
        この詩集は、のり子さんがお亡くなりになられた
        後に出版されたそうです。
        理由は一つ。

        「ちょっと照れくさい。」

        ということだったそうです。
        最愛の夫に宛てた、一種のラブレターのようだと。

        その「ちょっと照れくさい」詩集が
        わたしにとって、
        一番最初の、のり子さんの本となり、
        そのあと、数冊のり子さんの詩集を読みましたが
        幾度も読み直すのは『歳月』です。




        もしかしたら、『歳月』の中の詩は、
        時が止まっている
        と感じられるかもしれません。
        けれど、
        最愛の夫と過ごしたかけがえのない時間と
        いなくなってからの時間を
        隠すこともなく正直に
        しっかりとした言葉で綴っています。


        愛した人に愛されたことが伝わってきます。


        そんなのり子さんを想うと、
        「こんな日があったからこそ、
        私はこれまで生きてこれたのよ。」
        と、そんな風に聞こえてくるのです。




        展示では、『歳月』の中にある
        いくつもの詩の原稿を見ることができました。
        原稿を閉まっていた
        “Yの箱”も展示されていました。
        “Yの箱”だけでも十分見所がありましたが、
        のり子さんの朗読も聞くことができました。
        やや低めの心地よい落ち着いた声でした。

        展示に行ったあと、わたしは本棚にあった
        『歳月』を開きました。
        この季節にぴったりな「五月」
        というタイトルの詩に目が留りました。
        けれど、のり子さんは
        この季節とは離れた自身の
        気持ちを表現していました。
        最愛の夫がなくなった月でした。




        茨木のり子展は、世田谷文学館で会期中です。
        緑豊かで街並も穏やかな空気が流れている
        すてきな場所です。



        「五月」
         
         なくすなく
         傷ついた獣のように横たわる
         落語の〈王子の狐〉のように参って
         子狐もなしに
         夜が更けるしんしんの音に耳を立て
         あけがたにすこし眠る
         陽がのぼって
         のろのろと身を起こし
         
         すこし水を飲む
         樹が風に
         ゆれている


        世田谷文学館のホームページ

        稲葉尚子のホームページ

        ルイノク2(わたしの本)
        http://item.rakuten.co.jp/ruinok-2/inaba-16/

        ルイノク2(稲葉尚子の作品)
          
        | life | 21:39 | - | - |
        | 1/4PAGES | >>